Nested ESXi on Hyper-V の構築
こんにちは。
今回は Nested ESXi on Hyper-V の構築を実施してみます。
Nested Hyper-V on ESXi の記事は多くあるのですが、逆はあまりないので。。。
1. カスタマイズ ESXi インストールメディアの作成
- PowerCLI のインストール
ESXi-Customizer-PS を利用するには、PowerCLI が必要になります。PowerCLI は、Powershell を利用して vSphere 環境を管理するツールです。
PowerCLI のインストール後、OS の再起動を実施してください。
下記のようにGet-VMなど Hyper-V と同じコマンドもありますので、Hyper-V ホスト以外にインストールすることをおすすめします。
PS C:\Users\Administrator> Get-Command get-vm*
CommandType Name Version Source
----------- ---- ------- ------
Cmdlet Get-VM 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMGuest 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMGuestNetworkInterface 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMGuestRoute 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHost 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostAccount 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostAdvancedConfiguration 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostAuthentication 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostAvailableTimeZone 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostDiagnosticPartition 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostDisk 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostDiskPartition 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostFirewallDefaultPolicy 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostFirewallException 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostFirmware 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostHba 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostModule 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostNetwork 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostNetworkAdapter 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostNtpServer 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostPatch 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostProfile 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostProfileRequiredInput 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostRoute 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostService 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostSnmp 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostStartPolicy 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostStorage 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMHostSysLogServer 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMQuestion 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMResourceConfiguration 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
Cmdlet Get-VMStartPolicy 6.0.0.0 VMware.VimAutomation.Core
- ESXi-Customizer-PS ツールのダウンロード
Hyper-V の仮想マシンで ESXi を Neted で利用する場合、Net-Tulip というネットワークドライバーをESXi にインストールする必要があります。
Net-Tulip をインストールした カスタム ESXi インストール ISO ファイルを作成するには、ESXi-Customizer-PS というツールを使います。最新のバージョンは Github で公開されていますので、任意のフォルダにダウンロードします。- ESXi-Customizer-PS GitHub Pages
# Change directory to the root directory. cd C:\temp # Download the tools archive. [Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol = [Net.SecurityProtocolType]::Tls12 invoke-webrequest https://github.com/VFrontDe/ESXi-Customizer-PS/archive/master.zip -OutFile ESXi-Customizer-PS.zip # Expand the downloaded files. expand-archive ESXi-Customizer-PS.zip -DestinationPath . -Force # Change to the tools directory. cd .\ESXi-Customizer-PS-master\
- ESXi-Customizer-PS GitHub Pages
- カスタマイズ ESXi インストール ISO の作成
ESXi-Customizer-PS を利用して、カスタマイズ ISO ファイルを作成します。
ESXi-Customizer-PS の使い方はこちらのブログサイトに詳細説明があります。- ESXi-Customizer-PS
こちらのコマンドを実行することで、今回作成したい ISO を作成できます。# カスタマイズ ISO の作成 ESXi-Customizer-PS.ps1 -v55 -vft -load net-tulip-v55というのは ESXi 5.5 バージョンを指定しています。
-v60の場合は、 ESXi 6.0 になりますので、利用したいバージョンを指定してください。
- ESXi-Customizer-PS
また、-load で net-tulip を指定することで、net-tulip をインストールした ESXi イメージになります。
コマンドを実行したカレントディレクトリに、カスタマイズした ISO ファイルが作成されます。
ESXi-Customizer-PS のヘルプを確認するにはこちらのコマンドです。
ESXi-Customizer-PS -help
2. カスタマイズした ISO ファイルから ESXi をインストール
仮想マシンを作成して、ISO から ESXi をインストールします。
1.仮想マシンの作成
仮想マシンは 第1世代で作成する必要があります。また、CSP は 4コア以上に設定する必要があります。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 仮想マシン世代 | 第1世代 |
| CPU | 4コア以上 |
| メモリ | 4GB 以上 |
| ネットワークアダプタ | レガシーネットワークアダプター |
コア数が要件に満たない場合は、インストール時にエラーとなりますので気を付けてください。
2.Nested の有効化
仮想マシンを作成したら、下記コマンドを実行して CPU 仮想化を有効にします。-VMname の値は適宜修正してください。
また、つぎに、レガシーネットワークアダプターの MAC Address Spoofing を有効にします。
Set-VMProcessor -VMName esxi55 -ExposeVirtualizationExtensions $True
Set-VMNetworkAdapter -VMName esx55 -MacAddressSpoofing On
これで Nested 仮想マシンの準備は完了です。
3.ESXi のインストール
作成した仮想マシンに ESXi をインストールします。
4.ESXi-Customizer-PS で作成した ISO を仮想マシンにマウントし、仮想マシンを起動します。
5.ISO メディアで Boot した後、Tab キーを押します。
6.下記のコマンドを実行します。
ignoreHeadless=TRUE
このコマンドを実行すると、ESXi のインストールが開始されます。
実行しなかった場合は、OS をインストールすることができませんので注意してください。
この Relocating modules and starting up the kernel... から画面が遷移しない状態となります。
7.OS インストールが完了後の再起動時に、再度コマンドを入れる必要があります。
OS が再起動した直後に Shift + O を押します。すると、コマンドラインを入力できるようになります。
そこで下記のコマンドを実行します。
ignireHeadless=TRUE
8.OS 起動後、ESX Shell を有効化します。
9.Alt + F1 を押し、ESX Shell に Root ユーザーでログインし、下記のコマンドを実行します。
esxcfg-advcfg --set-kernel "TRUE" ignoreHeadless
10.コマンドを実行します。
esxcfg-advcfg --set-kernel "TRUE" ignoreHeadless
これで再起動のたびにコマンドを実行する必要がなくなります。
11.Alt ＋ F2 を押して、ESX のダイレクトコンソールに戻ります。
これで Nested ESXi の設定は完了です。
このあとは、必要な設定を実施して vCenter に登録して動作確認をしてみてください！